台湾

台湾で生活したい!30代女性の私が未経験の日本語教師の仕事を見つけて台湾就職と台湾移住を実現した話

台湾の方々は、驚くほど人に対して親切です。

道を尋ねればバイクで目的地まで送り届けてくれ、どのバスに乗ればいいか聞けば丁寧に教えてくれ、その上、自宅の畑で採れた野菜までくれる……。日本では考えられないような思いやりのある行動を当たり前のようにしてくださるのが台湾人の方々です。

台湾で同じような体験をして、台湾に移住したい!と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方々へ、私が台湾で日本語教師として働くことができるようになった経緯をお伝えしましょう。

※この記事は筆者の体験に基づいています。

台湾人の親切さに感激!移り住むことを決意

台湾のマーケット

私が台湾への移住を決意したのは単純な理由で、冒頭で述べたように台湾の人が本当に親切だったからです。旅行で訪れた先で、たまたまその場で知り合った方に車でお祭りに連れて行ってもらったり、登山グループのハイキングに混ぜてもらったりしました。

どんな日常生活を送ったら人に対してこんなに親切になれるのか?そんな風に興味を抱いたのが、台湾への移住を決めるに至った最大のきっかけです。

日本での仕事は日本語教師とは無縁

私は日本の4年制大学を卒業した後は会社員として就職し、働いていました。職種は印刷関連の会社のデザイナーでした。日本語教師とはまったく関係のない仕事をしていたといえます。

ただ、大学の選択語学授業で中国語を勉強していたので、中国語に関する知識は少しだけありました。また、昔から本を読んだり文章を書いたりするのが好きで、大学では日本文学を専攻していました。今の仕事と関係があることといえばこの2点です。

台湾で仕事をする一番簡単な方法、ワーホリビザで就職先探し

台湾で働くためにはもちろん、台湾で働くことができるビザが必要です。一番簡単な方法は、30歳以下なら台湾のワーキングホリデービザを申請することです。

このビザがあれば台湾で働くことはもちろん、語学学校に通うことも可能です(180日経過した後に一度更新の申請をする必要があります)。

現地で中国語を学び、就活開始

私も最初はこのワーキングホリデービザで渡航。台湾の人と話すためにもっと中国語を勉強したいという気持ちも強く、まずは輔仁(フーレン)大学の語学センターに入学し大学の寮を利用しました。

3カ月くらい勉強して、ちょっと中国語に慣れてきたかな?と思えたところで就職活動を開始。

働くことができるビザを持ちながら就職活動ができるというのは、かなり大きなメリットでした。いつでも働けると思うと精神的に落ち着いて仕事を探すことができますよ。

台湾でどうやって日本語教師の仕事を見つけたのか

教室

台湾で仕事を探す時に利用したのが、台北掲示板というサイト。特に登録なども必要なく誰でも利用でき、台北や新北などの情報も掲載されています。

さまざまな職種の募集があり、私はここで日本語教師の仕事を見つけて応募しました。台北掲示板からメールを送り、翌日には面接日程をご連絡いただいたので面接に行くと、その場で採用されたのです。

バイトのつもりが思いがけずうれしい展開に

午前中は語学センターに通っていたのでアルバイトとして応募しました。ところが、面接官である責任者の先生から「せっかく研修するのだし、ワーキングホリデーが終了した後もここで日本語の先生を続けてもらいたい」と言っていただき、その場で「はい、わかりました」と返事。

私の台湾での就職活動は、こんな具合にあっさり始まりあっさり終了したのです。

就労ビザで日本語教師として働く場合の条件

日本語教師として台湾で働くにあたり必ず必要なのが「4年制大学を卒業している」ということです。これは、日本語教師として就労ビザを申請するために必要な条件で、ワーキングホリデービザとは異なるため注意が必要です。就労ビザの申請時に大学の学位記が必要になります。

また2017年から、新しく日本語教師になる場合は日本の無犯罪証明書の提出が必要になりました。この書類は、台湾から申請すると日本台湾交流協会を通じての手続きになり2カ月ほどかかるので、日本で申請できるならあらかじめ手に入れてから来台した方が良いです。

台湾で日本語教師の仕事に初挑戦

教科書

これまで、日本語教師の勉強をしたことはほぼありませんでした。ワーキングホリデーに来るにあたり、日本人が就きやすい職業の一つに日本語教師があるということは知っていたので、専門書籍をいくらか読んだことがある程度です。

日本語教師になるための一般的な資格とは

日本語教師として働くための資格で一番有名なのは「日本語教師養成講座420時間コース」で、求人に応募するためにはそのコースを受けている、またはJEES(公益財団法人日本国際教育支援協会)の「日本語教育能力検定試験」に合格している、あるいは大学で日本語教育を勉強した、のいずれかに当てはまることが必要と書かれているサイトをよく見ます。

ですが、これらに該当していなくても日本語学校で研修を受けられる場合もあるので、スキルに応じていろいろ探してみると良いでしょう。

ある程度の中国語力があった方が教えやすい

日本語を教える方法は、大きく分けて2つあります。日本語のみを使用して教える「直接法」と、現地の言葉を交えて教える「間接法」の2種類です。

私が勤務している日本語教室ではどちらの方法でもOKで、私は日本語と中国語を交えた形で授業をしています。学校によっては「直接法のみ使用」などの規定があるようです。

しかし、50音もわからない生徒に日本語を教えるので、やはりある程度の中国語能力は必要です。たまに中国語を交えて会話した方が、生徒との距離が近くなりやすく、分からないところを積極的に質問してもらえるようになります。

最初は大変で反省の毎日

専門の勉強をしたことがないということもあり、最初は授業前にいくら準備しても終わってから反省することばかりでした。

仕事を始めて半年間くらいはやはり大変で、日本で日本語教師養成講座を受講しておけばよかったと何度も後悔。研修指導をしてもらい、他の先生の授業を見学し、また自分でも教え方を研究する毎日でした。そして、実際に教壇に立ち続けることで、次第に教え方が身につき始めたように感じます。

今はどうにか慣れてきて、どうしたら理解してもらえるか、覚えてもらえるか、楽しんでもらえるかの3つを考えながら、教案を作っています。

台湾の日本語教師としての勤務時間と休み

教室

就業時間は午後2時〜9時半までです。

生徒は学校や仕事が終わってから教室へやって来ます。一定の人数が集まると、平日の夜7時以降か土曜日の日中に団体クラスの授業をしています。

団体クラスの授業前に行うのが、少人数や個人、子ども対象のクラスです。大体4時半頃からなので、その時間に合わせて出勤しています。

授業前の時間を利用して研修指導、たまに中国語のレッスンをしてもらうこともあります。

休みは週2日で日曜日と月曜日、また台湾の祝日も授業はありません。

冬は生徒不足で給料に影響?

ちなみに、台湾の日本語学校は冬に生徒数が減少するんです。年末は仕事が忙しくなること、台湾最大の連休である春節が重なること、春節を一つの区切りと考えたりすることなどからか、とにかく生徒が減ります。

学校によっては生徒数が減少したら先生のお給料も減額、なんてことがあるそうです。私は固定給で働いていますが、お給料のことに関してはあらかじめ確認しておいた方が良さそうです。

台湾で仕事をして良かったと思うこと

ノート

中国語力がアップする

第一に、日常生活で使う中国語を学べることが最大のメリットです。台湾に来て1年半ほど、大学の語学センターでの勉強だけでは決して現在のレベルにまでは到達できていなかったと思います。

学校で習った中国語を、台湾人は日常でどんなふうに使うのか、実際にはどんな単語を使うのか。ローカル中国語を勉強できる、最高の学びの場が職場だと思います。

台語にも触れられる

台湾で仕事をすると、台湾独自の言語「台語」も学ぶことができます

台北では「國語」と呼ばれる標準的な中国語を使って会話をします。でも、ご高齢の方は日常会話に台語を用いることも少なくありません。身内にそうした方がいる生徒は台語も話すことができるので、彼らの会話の端々に出る台語を聞きかじっています。

ただ、方言などもあって少々複雑です。あまり気負わず日本語を教える中で便利な単語があれば覚えていく程度が楽しいと思います。

台湾の人たちの役に立てる

台湾にはアニメやドラマをはじめ、食品や化粧品、ブランドや商業施設など、たくさんの日本のものが輸入されています。日本に興味を持ち、日本語を勉強したいと思っている人が一定数いるのです。

私は台湾も中国語も好きですが、同じように日本も日本語も好きです。自分自身も好きなものを知りたいと思ってくれる人たちの役に立てることは、これ以上ない幸せです。

台湾だったからこそ大成功

私は日本語教師の仕事が好きで、やりがいを感じています。もし台湾に移住していなかったら、この仕事とは縁がなかったと思います。そう考えると、私の海外就職は大成功です。

挑戦しないで後悔するより挑戦して後悔する方がいい。そう思って日本での仕事を辞め、台湾に来た甲斐がありました。

まとめ〜経験がなくても夢が実現できる場所

政府の規定上、お給料はあまり高くはないですが、それでもアパートを借りて日々の生活を送り、月に一度は遠くへ旅行し、貯金もしています。決してぜいたくな生活ではないですが、大いに楽しんでいることは確かです。

台湾や台湾の人たちが大好きで、この土地やここに住む人のために頑張ろうと思う気持ち。それがあれば、経験がなくても案外なんとでもなってしまうのが台湾です。

海外への移住に二の足を踏んでいる方には、思い切って飛び込んでしまうことをおすすめします。きっと素敵な出会いがたくさん待っているはずですよ。

ABOUT ME
アジアハッカー編集部
アジアで働くをもっと自由に。もっと身近に。 編集者はアジア在住歴10年。 中国、韓国、シンガポール、フィリピン、マレーシア、タイ、ミャンマー、インドネシア、香港、マカオなど東アジア・東南アジアで活動しています。