日本とは言語や環境が異なる異国の地「タイ」。
タイの人は穏やかで優しい性格ですが、仕事を一緒にするとなるとまた違った一面が見えてきます。今回はタイの日系企業へ現地採用として就職した経験から日本人とタイ人の働き方の違いについて詳しくご紹介いたします。
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タイと日本の働き方の違い
1からプロセスを説明することが重要!
私が働く会社の工場は商品を製造する工場で、機械のメンテナンスは重要な業務です。機械が動かなくなると製造ラインがすべてストップしてしまいますので、日々の点検がとっても重要な仕事となります。
未然にトラブルを防止するためには、日々の点検を行い、どんな小さな問題でも随時上司に「報告・連絡・相談」することです。
タイにある工場では、このルールを従業員全員に徹底するのは時間と労力がとてもかかります。
たとえば工場にある機械の点検表を作成し、毎日点検するようスタッフに指示したとします。その1ヶ月後、機械が突然動かなくなり、原因を調べるとモーターのトラブルだということが判明しました。
そこで日々の点検表を再度確認したところ、点検表には「特に異常なし」と記載されています。点検担当者に詳しく事情を聞くと「ここ数日前から変な音が聞こえていたが、すぐに直ると思った」と勝手に判断していたことが判明しました。
このような事例はタイではよくあることです。こういった場合は、日々の点検は何のために行っているのか、点検を怠るとどういったトラブルの可能性が考えられるかなどを、1から教えていく必要があります。
職場でも目上の人を敬う文化
ローカルスタッフ同士の会議では意見が出ますが、日本人や上司との会議でローカルスタッフはなかなか意見を言いません。
こちらから名指しで指名した場合は発言しますが、否定的な意見や新しいアイディアなどは言いません。どちらかというと議論で多数賛成がでている意見に賛同する傾向があります。
なぜタイの人々は意見を言おうとしないのでしょうか。明確な理由はわかりませんが、タイでは目上の人を敬う習慣があります。それはたとえ職場であっても同様です。
そのため、目上の人が出した意見に反論することを嫌がり、あまり意見を言わない風潮があるようです。
私の会社では、会議の場で意見は求めず、会議後にメールなどでヒアリングし、匿名で意見を言えるようなシステムを作っています。
時間にルーズなことが多い
大手日系企業などは、日系企業や日本人を相手に頻繁に会議を行っているので、このような会議に参加する場合は会議時間をしっかり守ります。しかし、日系企業以外の会社と行う会議は、開始時間や集合時間にルーズなことが多いです。
時間にルーズなのは会社だけではありません。たとえば、タイのある企業が急いで資料を渡したいので、明日バイク便を利用して資料を会社へ届けると連絡がきました。
明日の10時までには届けると言われた資料が、当日午後に届くことが頻繁にあります。
また修理会社などに修理を依頼する場合は、ほとんどの場合時間通りには来ません。明日の10時に約束しても、当日の朝電話があり「渋滞がひどいので、明日以降に再度連絡する」と勝手に判断し、連絡してくる業者も多くいます。
時間通りに来なくても、怒ってはいけません。首を長くして待つか、違うルートを見つけて依頼するのが賢明です。
仕事中にフルーツを食べるのは当たり前
タイで働きはじめて、最初に感じたことは「タイの人々は仕事中によくものを食べる」ということです。南国ならではのフルーツはもちろんのこと、お菓子やソーセージなど、あらゆるものを仕事中に食べています。
なぜタイの人々は間食が多いのでしょうか。その理由は、ご飯一食分の量が少ないからだと思われます。日本で食べる定食よりも、タイ料理のワンプレートの方がはるかにボリュームが少ないものです。
仕事をし始めたときは、りんごをかじるシャリシャリという音が気になりましたが、今では私自身デスクでフルーツを食べることもあります。
オフィス内では靴を履き替える
日本のオフィスでは、出勤の際に履いてきた靴で1日を過ごすのが一般的です。しかし、私の会社ではタイ人のほとんどがスリッパに履き替えて仕事をしています。
履いているスリッパは、シンプルなデザインからキャラクターものまでデザインも色々です。
なぜスリッパに履き替えるのかというと、タイ人のほとんどは裸足の生活に慣れているからです。タイの人々はお寺に行く際はもちろんのこと、家でも裸足が基本です。そのため、歩きやすいスニーカーよりも裸足の方が快適なのです。
私は今もスリッパに履き替えず、靴のまま仕事をしています。
タイでわかった日本との働き方の違い・まとめ
「郷に入っては郷に従う」ということわざがありますが、仕事面では必ずしもすべてが当てはまるものではありません。
一概に日本人がする仕事の仕方がすべてが正しいというわけではありません。しかし、タイという国をもっと発展させるためには、タイ人の良さと日本人の良さを融合させる必要性があると感じています。
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