観光地として、リゾート地として、年々人気を集めているフィリピン。義務教育が英語で行われるためほとんどの人が英語を話せるということもあり、近年海外から進出する企業も増え続けています。
年中暖かい気候で物価が安く、発展途上国の中でも治安が良いため日本人にとっても暮らしやすいですが、働くとなると文化や価値観の違いに悩まされることもたくさんあります。
今回は、フィリピンで働くことを考えている方へ向けて、フィリピンで働く中でのトラブルと、実際にフィリピンで働きだして約半年になるわたしが身につけたその回避法をお伝えします!
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フィリピンでの仕事
日本人のお客さまをメインにしたツアー会社で働いています。フィリピン・セブ島の観光地を中心としたツアーの企画やホテルの手配などを行っています。
スタッフが全員で20人ほどの比較的小さな会社で、日本人はわたしだけ。会社に用意されている寮に暮らしているため、普段も彼らと共に過ごしています。
フィリピン人の生活スタイル
フィリピン人の生活スタイルは、今の日本の生活スタイルと全く異なっているといえます。いとこや親戚と共に暮らしている家庭がほとんどで、同じ屋根の下に2〜3家庭が一緒に暮らしていることも珍しくありません。
また、仕事などで家族と離れたところに暮らす人もいますが、まだまだ発展途上中の国ということもあり、十分なお給料をもらえている人は少ないです。日本のように一人暮らしをすることは少なく、会社の寮に入ったり友達とシェアハウスをすることがほとんどだそうです。
そんな生活スタイルが影響しているのか、フィリピン人は家族を何よりも大切にします。一緒に暮らす親戚とも、離れて暮らす親戚とも助け合いながら、お互いにできることをシェアし協力し合って暮らしています。
フィリピン人のシェアの精神から起こるトラブル
フィリピンならではの”助け合って暮らす”、”シェアしながら暮らす”というとても魅力的な生活スタイル。この中で、日本人の習慣では理解しがたい、わたしが経験したエピソードをお話します。
なんでもシェアされてしまう:タオルがない、靴がない
常になんでもシェアしながら暮らしている習慣があるからでしょうか。一緒に暮らしていると、びっくりするほどよく物がなくなります。タオルやメイク道具などの日用品、服や靴などの衣類まで……。
ないなあ、と思っていたら目の前で誰かが使っているということもしばしば。「それ、わたしのなんだけど!」と伝えると、「え?だから?」といった反応をされた時は衝撃でした。
そう、みんなでシェアして使うことが普通なので「人の物を使っている」という概念がどうやらないようです。
お気に入りのタオルは床用の雑巾に。
お気に入りの靴は小さい男の子の運動靴となりボロボロに。
ショックな出来事は後を絶ちません。
なんでも協力し合ってしまう:時間にルーズ
フィリピンに限らずよく聞かれる話かもしれませんが、びっくりするほど時間にルーズな人が多いです。仕事でもプライベートの待ち合わせでも、時間通りに集合できたことは数えるほどしかありません。
しかし、仕事でもこのような状態では……さすがに困ってしまうこともよくあります。
そもそも、なぜこんなにも時間にルーズな人たちばかりでフィリピンの社会は成り立っているのでしょうか……。よく観察していると、”お互いに許し合う”文化が強くあるように見えます。遅れてしまってもお互いさま、その分の埋め合わせをするのもお互いさま。
助け合って暮らす、支え合って暮らすというスタイルからくる文化なのか、周りの人のミスや間違いなども他人事にせず、お互いにカバーし合っているようです。
フィリピンで働く中でのトラブル回避法
慣れない間は、ショックを受けてしまう習慣の違いにたくさん直面しました。しかし、ショックを受けているだけではどうにもならない……。郷に入れば郷に従え。トラブル回避法を自分なりに考えてみました。
トラブル回避法①私物には名前を
まずはひたすら大事なものに自分の名前を書きました。その物の1番見えやすいところにできるだけ大きく書きました。
さすがにひどいシェアのされ方をすることはなくなりました!
トラブル回避法②早めの時間を伝える
日本人ほど時間をきっちり守る人たちは外国にあまりいないのかもしれません。時間通りに物事が進まない、待ち合わせ時間に思いっきり遅れてくる、なんてことは日常茶飯事。
「3時も3時59分も、3時でしょ?」
少し注意するとこんなことを真顔で言われたことだってあります。
毎回注意していてもきりがないので、大事な予定の時は1時間ほど前の時間を伝えるようにしました。お互いに余裕を持って接することができます。
でもやっぱりフィリピンはおもしろい・まとめ
トラブルばかりを紹介してしまいましたが……。でもやっぱり、日本と全く違う文化の中で暮らす日常には本当におもしろいことがたくさんあります。
さまざまな物が自然にシェアされることだって、物を大切にする、という面ではとっても大事なことだと思います。
また、たくさんの親戚たちと助け合って暮らすスタイルは、日本の核家族化とはかけ離れたもの。本当に大事なものってなんなんだろうと考えさせられる日々です。
時間のルーズさだって、改めて考えればせかせかせずにお互いにある意味余裕を持って過ごすことができる、共に許し合う関係になれればそれはそれで素敵なことなんだと思うようになりました。
フィリピンで働くことを考えている方へ、わたしが身につけたトラブル回避法が少しでもお役に立てれば幸いです。
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