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香港の所得税は「いつ・いくら」支払うの?香港で働くなら知っておきたい税金の話

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どこの国で働こうとも気になってくるのが税金ですね。香港は他の国の税制と比較しても、低税率です。そして、年によっては税率を下げて市民に還元するという、香港政府の対応が時折あることも魅力的です。

そんな中でも知らなければ困ってしまう税金事情もあります。香港に来られた方で本当に税金の支払いに困った方もいました。香港で仕事をして働くなら知っておきたい税金(所得税)事情を見ていきましょう。

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香港の給与から差し引かれているもの

税金

MPF(Mandatory Provident Fund Scheme)

香港では、日本のように毎月の給与から税金(所得税)は天引きされません。天引きされるものとしては、MPF(Mandatory Provident Fund Scheme)と呼ばれる強制積立年金です。働く全ての人はこれを支払う義務があります。

このMPFは給与の10%で、毎月給与より自動的に支払います。雇用主負担5%、個人負担5%(任意で増やすことも出来る)を個人(被雇用者)のMPF口座に積み立てていきます。

また、積み立ててきたこれらの強制積立年金 は、満65歳になってから、また香港永久退去などの満期を迎えたときに申請をすれば返却されるようになっています。

香港の所得税

自己申告

香港の所得税は1年に1度税務署に自分で申告する必要があります。所得税は4月1日から1年間の年収を元に算出されます。

それには、ダブルペイ、コミッション(歩合給)、食事や通勤などの諸手当があれば、それも含めた総額が所得税の対象になります。

【所得税計算の仕方】※2016-17年度の場合

[aside type=”normal”]年収から基礎控除額を引いた額と年収に対する税率

  • 0HKD‐40,000HKD:2.00%
  • 40,001HKD‐80,000HKD:7.00%
  • 80.001HKD-120.000HKD:12.00%
  • 120.001HKD以上:17.00%

[/aside]

例えば、独身者を例にとると2016/17年度の基礎控除額は132,000HKDです。年収が132.000HKD以下の方の所得税はゼロになります。

それ以上の人は、年収から基礎控除額132.000HKDを引いた額に対して、上記の所得税率が計算されます。

  • 最初の40.000HKDに対して2%:800HKD~
  • 40.001HKD以上に対して7%:2800HKD~
  • 80.001以上に対して12%:9600HKD~
  • 120.000HKD以上に対して17%:20.400HKD

基本、所得税の支払いに関しては、1年分の収入から算出してまとめて払わなくてはいけないのですが、初年度は2年分をまとめて支払うになります。

これを知らないと多くの人が税金支払いの準備ができていないなど、困った状態になります。安い税金とはいえ2年分となると小さな額ではありません。翌年からは、普通の1年分の算出になります。

実は、知り合いで2年間税金の請求が来なかった人に3年分の請求が来たことがありました。本当に困ったと嘆いていました。

1年目は税務署の都合でか請求が来なかったようです。なので、翌年に請求が来た時には「1年目の税金」 と「請求の初年度の2年分支払う」 分が同時に請求が来たようです。

こんなことがあっては大変だと思うのですが、1年、または、2年分の所得税でも、まとめての支払いとなるとかなりの金額になるので、香港で働かれる方は税金を支払うための貯金、備えをしておいた方がいいでしょう。

香港の所得税率

税金

香港の所得税率は、高くても17%です。日本や他国と比べても税率は随分と安いです。

しかし、これは香港の社会でも時折話題になることですが、お金持ちがどれだけお金を稼いでも税金は17%でいいのです。他に控除がつく寄付金などで控除額をあげれば、結構な節税にもなります。

億万長者が他国よりも多いといわれる香港で17%の税金は収入が多ければ多いほど痛くありません。

また、香港には貧困層も多くいます。彼らは税金を払う必要はありません。生活面、教育面でも教科書、習い事などのための補助金が出て、家賃の安い公団住宅に住むことができます。

税金を支払う必要のない、補助金生活をされている方は香港人口の60%以上いると言われています。

そんな中で一番負担が大きいと言われているのは香港の中級階級です。筆者もこの中級階級になりますが、税金の支払いが収入に占める割合が比較的高くなります。

また、どれだけ家賃が高騰しても安い公団住宅には住むことは出来ないので、給与の多くを家賃にあてなくてはいけません。政府からの補助金が与えられるわけでもないので一番負担を負っている層だと言われています。

それでも、他国と比べると税率が低いのは香港の魅力の一つです。

香港の所得税の支払いまでのスケジュール

スケジュール

毎年同じ流れですので、慣れてしまえば難しいことはありません。

毎年4月初旬ごろ

香港税務局より会社へ雇用主支払い報酬申告書が発行される。それに伴い会社が税務署へ前年度の各社員の給与明細書を提出。社員にも給与明細書のコピーを渡す。

毎年5月ごろ

税務局から個人宛てに所得税申告書が送られてくる。会社からもらっていた給与明細書のコピーを基に、給与、手当、コミッション、賞与などを記入していきます。発行されてから1ヶ月以内に香港税務局に提出する必要があります。

8月から、11月頃

雇用主支払い報酬申告書と所得税申告書を基にして、税務署から所得税の請求書が送られてきます。香港勤務初年度は、最初2年分の納税をまとめてする必要もあるので注意。

納税期限

確定税額通知書に書かれています。

香港の税金の控除等

香港では毎年ではありませんが、政府の政策として特別控除が実地されることがあります。

2017年度も昨年度に引き続き、最終所得税額に対して上限20,000HKDとして75%の控除が出来るようになりました。

[aside type=”normal”]その他の控除

  • 基本控除(未婚者、既婚者で違います)
  • 子女控除
  • 扶養控除(父、母、祖父母)
  • 扶養兄弟姉妹控除
  • 学費控除
  • 寄付金控除
  • 住宅ローン控除
  • 介護老人福祉施設控除 他など

[/aside]

があります。

それぞれ、所得控除額が出ていますので、これを所得税から差し引いたものが納税額になります。

まとめ

香港は、やはり他国の税制に比べると税金が低いです。税金の計算の仕方も簡単ですので、皆さんも自分の所得税金額を把握してみてはいかがでしょうか?

筆者は、毎年収入の約10%を所得税の支払い経費として分けていますが、これだけあれば充分であろうという見込みです。

こうやって日本と比較しても、香港は個人の所得税、法人税、消費税、他の税金から見ても負担が軽いのは事実ですね。

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アジアハッカー編集部
アジアで働くをもっと自由に。もっと身近に。 編集者はアジア在住歴10年。 中国、韓国、シンガポール、フィリピン、マレーシア、タイ、ミャンマー、インドネシア、香港、マカオなど東アジア・東南アジアで活動しています。
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