私が働いている日系企業の香港人スタッフは、日本(人)に関して理解の深いスタッフが比較的多くいましたが、だからといって日本人に合わせるのか?と言えばそうではありませんでした。
実際に香港で働きながら感じた、香港人と日本人のワークスタイルの違いを紹介します。
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香港人の働き方
個人主義
日本では「和」 が非常に大事にされますが、香港では「個人」 が優先されます。
なので、たとえ日系の会社で働いている香港人であっても、仕事という業務任務の他に、
香港人にはない考え方
- 「会社に尽くさなければいけない」
- 「上司の食事、飲み会に付き合わなければいけない」
- 「周りに合わせなくてはいけない」
などという日本独特の価値観はありません。
そして、仕事とプライベートもきっちりと分けています。
広東語の「働く」という言葉の俗語で「ワンチン」というのがあるのですが、もともとの意味は「お金を探す」という意味です。
仕事というのはあくまでも自分の為で、
- 「お金」
- 「キャリア」
- 「学び」
というような、自分にとって得るものを望み得ることです。
それがなくなるとどれだけ会社でお世話になったとしても、香港人は「情」はなく辞めていくことが多いです。
「はっきり言う」あいまいな言葉は通用しない
日本人は、ビジネス上であいまいな言葉を選んで受け答えする傾向があります。例えば、「納期に間に合いますか?」という問いに対して、「出来るだけ希望に添えるように努力します。」というような返答です。
努力よりも相手が知りたいのは、はっきりした納期です。このような受け答えは日本人以外の国の方々からは、評判が良くありません。
例えば、上記で例に出した納期の場合も 、香港人は「出来ないこと」は「出来ない」とはっきり言います。しかし、調整を重ねてくれ、最終的には希望を聞いてくれるということはよくあります。
香港で働き始めた当初、日本式に慣れていた私は香港人の受け答えが非常にはっきりとしていることが、冷たく聞こえることもありました。しかし、現在はこのような「非常に明瞭なやり取り」がビジネス上はやりやすいと感じています。
転職は「昇給」と「キャリアアップ」の機会
日本では、転職を繰り返すと「長い間働くことのできない人」 というマイナスのイメージがつきがちですが、ここ香港では転職は給料とキャリアアップのための機会と捉えられています。なので、転職に関してはとても前向きな姿勢です。
昇給した後、すぐに転職することもよくあります。また、現職の職場に昇給や昇格が見込めないと判断すると、早いうちに転職する人もいます。
長い間同じオフィスで勤めているとヘッドハンティングのない人、または、能力がない人などとして見られることもありますが、最近では安定を求めている香港人も少なくはないと思います。
日本人が日系の会社に転職する場合は、転職回数をマイナスに見られることもあるかもしれません。しかし、外資系、香港系などの会社ではそうではありません。
副職(副業)は当たり前
日系企業は、契約の際に副職を持つことを禁止にしているところが多いので、私の勤めていた職場ではいませんでしたが、香港人の友人たちの多くは副職を持っていました。
普段は、香港の一般企業に勤めている友人達。しかし、週末は別の仕事をかけ持っていました。
ある友人は、働きながら美容サロンを起業したり、自分の特技を人に教えたりしていました。お金のためだけでなく常に向上心を持ち、人生のよりよい機会を見つけようと積極的に生き生きと働いているように見えました。
遅刻をよくする
これには、最初びっくりしました。
始業時間にまともに来ている人の方が少ないくらいでしたから。香港人にとって10~15分くらいは遅刻にはなりません。おまけに会社についてから朝食を摂るので、勤務の開始に関してはのんびりしています。
しかし、だからと言ってダラダラしているのではなく、香港人の仕事の仕方は非常に効率的で速く、きっちりとします。
私の働いている日系企業も香港人の遅刻は常習だったため、途中で社内の規則が変わりました。
9時から18時までの勤務が基本就業時間ですが、9時半までに出勤すれば遅刻扱いにはなりませんが、遅く来た人は8時間きっちりと働いて帰らなければいけなくなりました。
つまり9時20分に会社に来た人は、18時20分までは最低会社にいる必要がありました。そうでない会社では少し遅く来て、会社を出るのは18時の針がさしたとたんに帰るというスタッフも多くいるそうです。
決められた仕事のみ!雑務はしない
基本、仕事の求人の時に求められていた職位、仕事、契約にない仕事についてはやりません。
日本で当たり前と思われている女性社員のお茶くみや掃除などの雑務を頼んだりすると、仕事へのプライドが高い香港人は心が折れてしまうかもしれません。それくらい「自分の仕事」にプライドを持ってやっている人が多いです。
もちろん自分の為に飲み物や食べ物を用意をしたりということはありますが、香港では多くの会社で、お茶くみや掃除をするスタッフは別に雇用されています。
まとめ
ここ香港で働く以上彼らの慣習やスタイルを無理に変えることは出来ません。「郷に入れば、郷に従え」とよく言われますが、私もここ香港で働いているうちに彼らの働き方に違和感を覚えなくなりました。
日系企業に勤務していても、こちらで働く日本人は長く香港にいるうちに良くも悪くも随分香港人スタイルを受け入れ、自身も香港スタイルになる人が多いように感じました。
それでも、日系企業で働くということは日本のお客様も多いことになるので「日本人らしいビジネス」を心得ておく必要はあります。
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