シンガポールは世界でも最も税率の低い国の一つ。この感覚になれてしまうと日本で働けなくなるかも!?気になるシンガポールの税金事情を大公開!
子供がおらず親の介護も必要ない夫婦や独身者にとって、シンガポールは働くには最高の国です。なぜなら税金が安いから!実際、日本と比べてどれくらい違うのでしょう?
ここでは日本人がEP(エンプロイメントパス)という労働ビザを取得してシンガポールの一般的な企業で働く場合を想定して、税金について日本と比較しつつ詳しく解説していきます。
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シンガポールの所得税の計算方法とは
シンガポールでは税金が給料から天引きされることはなく、年明けに一括で請求が来ます。
実際のところ、いくら位請求されるのでしょうか。Bさんの去年のお給料が、月収$5,000、ボーナス1か月分、AWS*とした場合の税金を計算してみます。
*AWS( Annual Wage Supplement)とは、会社の業績によって左右されるボーナスとは別に、13か月目のお給料として支払われるシンガポールの慣習です。義務ではないので、どこの会社でも支給されるわけではありません。
Bさんの年収
- $5,000x 12か月:$60,000
- ボーナスx 1か月:$5,000
- AWS:$5,000
- 年間総支給合計:$70,000
税率
2017年からは、下の表の税率が適用されます。From YA 2017
Chargeable Income | Income Tax Rate(%) | Gross Tax Payable ($) |
First $20,000 Next $10,000 | 0 2 | 0 200 |
First $30,000 Next $10,000 | – 3.50 | 200 350 |
First $40,000 Next $40,000 | – 7 | 550 2,800 |
First $80,000 Next $40,000 | – 11.5 | 3,350 4,600 |
First $120,000 Next $40,000 | – 15 | 7,950 6,000 |
First $160,000 Next $40,000 | – 18 | 13,950 7,200 |
First $200,000 Next $40,000 | – 19 | 21,150 7,600 |
First $240,000 Next $40,000 | – 19.5 | 28,750 7,800 |
First $280,000 Next $40,000 | – 20 | 36,550 8,000 |
First $320,000 In excess of $320,000 | – 22 | 44,500 |
年収が$40,000以上で$80,000以下のBさんの場合、上の太字の税率が適応されます。$70,000のうち、最初の$40,000に課税されるのが$550、残りの$30,000には7%の税率が課税されるため、$2,100となります。
よって、Bさんが支払う税金の合計は、$2,650(=約21万円)となります。21万円を一括で払うのは厳しいように感じますが、通常AWSが税金の支払いに充てられるので、AWSを貰ってすぐに全て使い切るようなことをしない限りは大丈夫なはずです。
また、月々分割払いにする方法もあり、その場合は一か月あたり17,500円が銀行口座から直接自動的に引き落とされます。
シンガポールの所得税による給料の手取り額の違い
シンガポールから日本含む他国に移動した人が毎月の給料明細を見るたび嘆いているように、シンガポールのお給料感覚に慣れてしまうともう他の国で働けなるかもしれません。同じ基本給を頂いていても、手元に残る金額が全然変わってくるからです。
どれくらいの違いがあるのか、以下、東京に住む月収40万円のAさん、シンガポールに住む月収$5,000(本日のレートで約40万円)のBさんの手取り額を比較してみます。
二人とも35歳、扶養家族なしを想定しています。(通勤手当、住居手当などは省略)
東京に住むAさん
- 基本給:40万円
- 社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険):58,800円
- 源泉所得税:11,850円
- 住民税:18,800円
- 月々の控除額合計:89,450円
- 手取り支給額:310,550円
シンガポールに住むBさん
- 基本給:$5,000(=約40万円)
- 社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険):$0*健康保険は会社が加入。シンガポールの年金にあたるCPFはEP(エンプロイメントパス)では加入不可。雇用保険は会社から加入できず、給料から天引きはない
- 源泉所得税:$0
- 住民税:$0*年明けに請求が来るため天引きはない
- 手取り支給額:$5,000
基本給から諸々引かれて手取り支給額が20%以上も下がってしまうAさん。
引かれている額も長い目で見れば自分の為になるとはわかっていても、手元に残る額が減るのはやはり悲しいものですよね。
それに比べてBさんの場合は稼いだ金額が丸々自分の口座に振り込まれます。
シンガポールは税金が安い
デメリット
文頭でも触れたとおり、独身の男女、子供がいない夫婦にとってはこの低い税率はありがたいでしょう。
ところが、税金が安い分、国からのサポートもありません。シンガポール国民に対してはいろいろと優遇されていることもありますが、特に私たち外国人には厳しいです。
まず学校ですが、シンガポール人とPR(永住権保持者)であれば国立の授業料の安い学校へ通うことができます。ところが外国人の子供は、みんな私立のインターナショナルスクール(日本人学校含む)に通わなければなりません。
細かい費用や条件は省きますが、小学校でも一か月あたり10万円以上は必要となります。
また医療費もものすごく高額なシンガポールでは、会社が加入している健康保険が全てカバーしてくれればよいのですが、もし保険適応外の治療が必要な医療(歯医者もカバーされないことが多い)を受けると、莫大な金額が必要となります。
また、住居を購入する際の税率も国民が7%なのに対し、外国人は15%と倍以上かかってしまいます。
シンガポールの消費税
ここでちょっと離れて消費税のお話を。シンガポールの消費税はGSTと呼ばれ、現在2017年6月時点で7%です。
店頭で売っている商品にはすでにGSTが含まれた金額が表示されていますが、レストランなどで食事をすると7%+サービス料10%が後から加算されるので「あれ?こんなに高かったっけ?」となることも。(昔の5%税込み表示に慣れている筆者は日本に帰って買い物や食事をするたびに一瞬パニックになります)
飲食店の場合、ホーカーと呼ばれるフードコートではGSTもサービス料もかからず、カジュアルなカフェなどではGSTだけのこともあります。
メニューをよく見ると値段の横に+が付いていることがあり、これが+一つだとGSTのみ、++だとGSTとサービス料が加算されます。
まとめ
税金が安いのは最高ですが、将来に備えての貯金は自己管理で行わなければなりません。シンガポールで働きながら日本の国民年金を納めている人もたくさんいます。
シンガポール人たちは余裕のある現金を投資に回したり、うまく運用しています。お金の使い道は全て自己管理になるので、リスクもありますが有効に活用出来たら良いですよね!
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