海外で暮らすために、やはり一番気になるのが生活費。国によっては、日本と比べて平均所得が低かったり、家賃が高かったりと、その生活は様々です。最低限の「衣・食・住」を守るためには、いくら必要なのでしょうか?
日本のお隣、韓国では、特に日本の女性に人気のコスメやファッションが格安で売られており、「日本より物価が安い」というイメージがありますが、実際はどうでしょうか?
今回は、韓国で就職し現地採用として生活している私の1ヵ月の生活費と、韓国の物価などについてご紹介します。(100ウォン=9.8円)
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韓国の物価とは
家賃
私は現在、韓国の首都圏に位置する賃貸マンションに住んでいます。韓国ではここ数年、住宅購入費用はもちろん、賃貸料金も高騰しており、社会問題になっています。
韓国で家を借りる場合、大きく分けてジョンセ(伝貰)とウォルセ(月貰)という制度があります。
ジョンセ(伝貰)、ウォルセ(月貰)
ジョンセ(伝貰)は、入居時に高額な保証金を支払うことで、月々の家賃はかかりません。一方、ウォルセ(月貰)は、入居時に少額の保証金を支払い、月々の家賃を払います。
どちらも、保証金は退去時に返金されます。保証金や月々の家賃の金額は、家主によって決められています。
(例)
- ジョンセ(伝貰):保証金5,000万ウォン(約500万円)+月々の家賃0ウォン
- ウォルセ(月貰):保証金3,000万ウォン(約300万円)+月々の家賃30万ウォン(約3万円)
これらの制度は、金利が高かった時代の名残ですが、近年は金利の低下とともに、ジョンセ(伝貰)が少なくなってきています。
交通費(タクシー、バス、地下鉄、高速鉄道)
日本より韓国の方が安いものといえば、交通費。日常的に利用する地下鉄やバスはもちろん、地方へ旅行するときも、交通費の負担はあまり大きくありません。
交通機関の料金例
- タクシーの初乗り運賃(首都圏):2kmまで3,000ウォン(約300円)
- 路線バスの基本運賃:約1,200ウォン(約120円)
- 地下鉄運賃:10kmまで約1,250ウォン(約125円)
- 高速鉄道の運賃(ソウル~釜山約430km):約59,800ウォン(約5,980円)
日本でも地下鉄やバスは距離に応じて基本料金に運賃が追加されますが、韓国では、その基本料金で行ける距離が長いのが特徴です。
東京から大阪までは直線距離で約400kmであることを考えると、韓国では遠くへ行けば行くほど、交通費が安いことを実感できます。
お得な乗り換え無料制度
韓国の首都圏には、「乗り換え無料」というお得な制度があります。地下鉄を降りて30分以内にバスに乗り換える場合、バス運賃が無料になります。
その逆も同様で、交通カード利用時に、1日最大4回まで無料で乗り換えが可能です。ただし、同じ番号のバスに乗り換えた場合は、適用外となります。
マンションの場合、自家用車の駐車スペースは家庭に1台まで無料というところが一般的です。公共交通機関の交通費が安く、首都圏であればどこでも移動が可能なため、私は自家用車がなくてもあまり不便を感じることはありません。
食費
韓国料理といえば、キムチ、チゲ、サムゲタンなどを思い浮かべるかもしれません。韓国には、まだまだおいしい料理がたくさんあります。
外食費は日本とあまり変わらない
街中のレストランや大衆食堂で外食する場合、食費は日本とあまり変わりません。
定食であれば8,000ウォン(約800円)~10,000ウォン(約1,000円)程度、少しおしゃれなレストランのディナーであれば、1人あたり15,000ウォン(約1,500円)~45,000ウォン(約4,500円)程度です。
ただ、量が多いのが特徴です。韓国では、メインディッシュの他に、おかずが無料で数品出されます。例えば、キムチ、豆腐、サラダ、和え物などです。
韓国で自炊するなら
私はほとんど自炊しているので、スーパーや市場によく立ち寄ります。韓国でも日本と同様、大型スーパーがありますが、地元の人々は市場でよく買い物をします。
どこの地域にでもある市場は、古くからその地域に根付いて栄えた歴史ある伝統市場で、平日でも多くの人で賑わっています。市場では、店主と交渉すれば少しおまけをもらえたり、安くしてもらえたりします。
私は、肉や魚などは品ぞろえの豊富な大型スーパーで買い、野菜や果物は安くて新鮮な市場で買う、というように食材によって買う場所を分けています。
肉は高い
肉は韓国国内産でも日本より高いものが多く、その他にスペイン産やベルギー産の豚肉を多く見かけます。韓国料理でもよく使用する鶏もも肉は、500g約8,650ウォン(約865円)で、日本よりやや高めです。
また、魚や貝などの種類が非常に豊富で、日本ではあまり見かけないものも多くあります。肉や魚は、やはり輸入品が多いため、あまり安くは手に入らないのが現状です。
野菜、果物は安い
一方で、野菜や果物は日本より安いものがたくさんあります。
野菜の値段(目安)
- ほうれん草:10束1,000ウォン(約100円)
- きゅうり:7本1,000ウォン(約100円)
- スイカ:1玉約8,000ウォン(約800円)
- イチゴ:70~80個約4,000ウォン(約400円)
ただし、大家族で暮らす家庭の多い韓国では、売られている単位(量)が非常に多いので、安いからといって大量に購入すると、消費するのが大変です。
日用品
韓国は、コスメやファッションがとても安く、日本人観光客にも大変人気です。旅行のおみやげとしては最適ですが、実際に生活するとなると、化粧品や服はあまり買う機会がありません。
衣類は、デパートで買えば日本と同じぐらいですが、市場に行けば、安くて流行のデザインが手に入ります。ただし、市場はほころびや破れなどのある不良品も多いため、その場でしっかりと確認してから購入することが大切です。
必要なものはネットで購入
その他、トイレットペーパーや洗剤、シャンプーなどは、私はインターネットで購入しています。なぜなら容量が非常に大きく、持ち運びが大変だからです。
韓国では、洗濯用洗剤は3kg~5kg、柔軟剤は3,100ml、トイレットペーパーは30ロール入り、シャンプーは1,500mlなど、「業務用?」と言いたくなるぐらい、とにかく日本に比べてビッグサイズです。価格は、日本とあまり変わりません。
携帯やインターネット料金
日本と同様、韓国でのスマートフォン(携帯電話)は、その用途に応じてさまざまな契約プランが用意されています。
通常は2年契約で、本体代を24ヵ月で分割し、月々の通話・通信代とあわせて支払うのが一般的です。データ無制限のプランも多く、携帯やインターネットを自由に使えます。
最低限の契約プランであれば、スマートフォン(携帯電話)1台あたり1ヵ月約30,000~35,000ウォン(約3,000円~3,500円)で、日本とあまり変わりません。
また、私は自宅でインターネット契約していますが、1ヵ月20,000ウォン(約2,000円)です。インターネットも早く、快適に使用しています。
水道光熱費
ガス代
日本では、オール電化のマンションもよく見かけますが、韓国では料理に火力を必要とするため、ガスが主流です。私も、自炊や入浴ではガスを使用しています。
韓国の住宅の一番の特徴といえば、床下暖房です。
冬の寒い日はソウルでマイナス15~20度、南部の都市プサンでもマイナス5~0度まで下がる韓国では、古くからオンドル(床下暖房)が取り入れられてきました。その歴史は、三国時代まで遡るといわれています。
現代の住宅では、各戸にボイラー室があり、ボイラー室から全ての部屋の床下に管が配置されています。その管に熱いお湯を流すことによって、床を暖かくしています。
スイッチひとつで、温度設定やオン・オフの切り替えが可能です。各部屋のドアを開けっぱなしにしていても、家全体が暖かいのでとても助かります。
冬場は気温が急激に下がり、管が凍結して破裂する恐れがあるため、不在時でもボイラーをオンにしています。そのため、冬のガス代は少し高くなります。
平均して、
- 冬のガス代は1ヵ月約80,000ウォン~100,000ウォン(約8,000円~10,000円)
- それ以外の季節は約20,000ウォン~30,000ウォン(約2,000円~3,000円)
程度です。
電気代・水道代
その他の電気代・水道代は日本よりやや安く、
- 電気代は1ヵ月約15,000ウォン(約1,500円)程度
- 水道代は1ヵ月約10,000ウォン~15,000ウォン(約1,000円~1,500円)程度
です。
冬のガス代を除けば、これらの支出は日々の生活にはあまり負担にならないため、とても助かっています。ただし、子どもがいる家庭や大家族の場合は、少し負担が大きくなるでしょう。
交際費
韓国は、人と人とのつながりが非常に強い社会です。現在でも縁故採用があったり、人の紹介によって事業が成功したりと、人脈によって人生が左右されると言っても過言ではありません。
会社では、昼休みになると課員が一緒に昼食を食べに出かけ、夜は飲み会があればほぼ全員が出席します。人脈をつくるために、お酒の席は非常に大切なものと考えられており、ソジュと呼ばれる焼酎は、韓国の国民酒でもあります。
また、平日の夜や休日には、会社のレクリエーションとして、スポーツ大会をしたり、日帰り旅行に出かけたりする会社もあります。
家族や親戚も同様です。特別な記念日や誕生日はもちろん、似合いそうなものや好きなものがあれば、いつでもプレゼントをします。
おいしいものがあれば一度に買ってみんなで分け合ったり、そのお返しにまたプレゼントを贈ったり、周囲との交流が非常に盛んです。
韓国は、個人の時間よりも、隣人と時間を共有する社会と言えます。したがって、交際費にお金を惜しむことはあまり理想的ではありません。予想外の出費に備えて、一定の交際費を取り置きしておくことが大切です。
韓国で日本よりお得なこと
多くの観光地では、その地域に住民登録がある人に対して割引制度を設けています。通常は、チケット売り場で、住所が確認できる身分証明書を提示すると、10%程度の割引を受けられます。
また、映画館では、通常大人約10,000ウォン(約1,000円)ですが、朝早い時間帯であれば、6,000ウォン~8,000ウォン(約600円~800円)程度で観覧できます。
まとめ
交通費を除けば、意外にも物価は日本と同じぐらい、もしくは少し高めだということが分かりました。
私の1ヵ月の生活費(2人世帯)
- 家賃:90,000ウォン(約9,000円:伝貰のため、管理費のみ)
- 食費:500,000ウォン(約50,000円)
- 交通費(バス、電車):70,000ウォン(約7,000円)
- 携帯・インターネット:100,000ウォン(約10,000円)
- 光熱費(ガス・電気・水道):50,000ウォン(約5,000円)
- 交際費:300,000ウォン(約30,000円)
- 保険代:200,000ウォン(約20,000円)
合計すると、月1,310,000ウォン(約131,000円)です。
韓国は、日本に比べて平均所得が低いですが、月々の給料で十分生活ができます。また、毎月少しずつ貯金にまわすことも可能です。業務用と間違うほど、量の多い食材や日用品は、無駄が出ないように上手に買い物することがポイントです。
また、韓国で生活する上で、交際費は欠かせません。人間関係を重視する韓国では、他を節約しても、交際費を削ることはあまりおすすめしません。
大量買いした日用品を分け合って交際費を節約したり、外食ではなく自宅に招待したりと、ちょっとした工夫で家計をやりくりしましょう。現地の人々と深く関わりながらの節約生活は、メリハリがあってとても楽しいです。
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